クスッと笑えてじわっと心も温まる小説~まく子(西加奈子)のあらすじと感想~

お薦め度

★★★★★

どんな人にお薦め?

    • 素朴な心を取り戻したい人
    • あっさり版サラバを体験したい人
    • 宇宙人について語りたい人
    • 妻(夫)の老化が気になる人

感想

話の展開としては絵本にありそうな、ある意味とても子供っぽい物語なのだが、西加奈子さんのメッセージがとても強く伝わってくる良作。

人間は誰もが子供から大人になって、老いて、死んでいく。外見も内面も肌も内臓もすべてどんどん変わっていく。そしてどんどん色々な個性の形に変わっていく。だけど、だからこそそれぞれの人間の今この瞬間と、今この瞬間の個性に価値があり、人間が生きる喜びもある。

変わっていく他人を見続けたい、今この瞬間の他人を感じ続けたい、そんな感情が、愛なのではないかと。

まぁ、そんな小説。構図としては、サラバと少し似てるかな。物語終盤の大事なところで、登場人物の言葉を通じて畳みかけるようにメッセージを伝えてくれるのも、サラバっぽくて好き。サラバほどの大作でもないしサラバほどの感動はなかったけど、さらっと読めて少し心に刺さる感じの、素敵な物語です。

絵本にありそうな、ある意味とても子供っぽい物語と最初に書いたけど、それは本当にその通りなので、是非読んでみてクスッと笑ってもらいたい。

ゴリラ
ゴリラ

どんな展開なんだろう。

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投稿者: コロッケ太郎

妻と息子と3人暮らし。週末に家族で遊びに出かけることと子供の昼寝に付き添って小説を読むことと美味しいコロッケを探求することがささやかな楽しみ。