ボリウッド映画
ボリウッドとは、ムンバイの旧称「ボンベイ」の頭文字「ボ」と、「ハリウッド」を合わせてつけられたといわれるインド映画です。インドらしさ満点のダンスシーンがほぼ必ず登場することも有名ですが、社会課題に対して強烈なメッセージを発しつつ、人間味にあふれる感動的なストーリーがしっかりと構成されていることも特徴です。
そんなボリウッド映画界のスーパースターである、アーミル・カーンさん。彼の演技からボリウッド映画の魅力に気付いた!なんて方も多いのではないでしょうか。そんな彼の出演作品を、私の個人的なランキングでご紹介します。
第3位:P.K
宇宙人が地球に来て、地球人と恋に落ちるという、いかにもボリウッドらしい壮大な設定ですw
インドでこんなにも宗教を批判することがあるんだなぁという驚きがありましたが、宗教、特に導師達の腐敗や悪用は、インドで結構大きな社会問題になっているんだなぁということがわかります。「導師達は神と連絡をするにあたって、電話番号のかけ間違いをしているのだ」、という風に直接的な言葉ではなくやんわりと面白おかしく大事なメッセージを伝えてくれているのも好感が持てます。
また、宗教を中心とした社会問題だけでなく、宇宙人と地球人の恋と地球人同士の恋という2つの恋を通じて、人間臭さもしっかりと表現してくれています。2つの恋が良い感じに感動を呼びます。
宗教という社会課題に対して強烈なメッセージを伝えつつも、人間らしさのスポットを当てた感動もある、インド映画らしい、とても素敵な映画でした。
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第2位:ダンガル きっと、強くなる。
レスリングで世界一になるという夢に挫折した主人公。息子にその夢を託そうとするも授かった4人の子供がすべて娘だったため一度は夢を諦めるが、ふとした出来事から娘にレスリングの才能があることを見出し、娘2人にレスリングのスパルタ指導を行ってレスリング世界一の夢を娘に託すというストーリーです。
この映画が発信するインドの社会問題は、男女格差や女性軽視といった問題です。インドでは男女格差が非常に大きく、女性の地位が非常に低いため女性は社会進出せずに親が決めた結婚相手のもとに嫁いで家事をこなすことが当然という文化が根強く残っていることが、この映画を見るとよくわかります。そんな中、村の皆からの冷笑や蔑みを気にせず、女性だから、という前例にとらわれずに男性に交じってレスリングを鍛えていくという話です。
娘も最初はとても嫌がって反発したり、挫折を繰り返したりしますが、やがては父の本当の愛情に気付き、父と共に成長していきます。そんな親子愛がとても心に沁みます。
男女格差という社会課題に対して強烈なメッセージを伝えつつも、親子愛にスポットを当てた感動もある、こちらもインド映画らしい、とても素敵な映画でした。
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第1位:きっと、うまくいく。
これは絶対に外せないでしょう。インド屈指の難関工科大学に通う「劣等生」である仲良し3人組の悪ふざけを中心に、同じクラスの「優等生」、頭の固くて厳しい教授、主人公と恋に落ちる教授の娘などとのやり取りを面白おかしく描いています。
一方で、インドの社会課題である教育問題についての問題提起も映画の主題になっています。インドでは偏差値の高い大学(工科大学が好まれる)を優秀な成績で卒業して就職することが、安定した生活をするための条件であること、そこからドロップアウトするとたちまち困難な人生が待ち受けていること、そのプレッシャーや挫折から若者の自殺率が増えてしまっていることなどが、切実に伝わってきます。
また、学生の悪ふざけを中心に話を展開しつつも、友情や愛情や家族愛の素晴らしさ、自分の好きなことや自分の信念を信じることの大切さなどもしっかりと伝えてくれます。「All is well.」(きっと、うまくいく)と唱えること、信じることの大切さも伝えてくれます。
また、大学卒業後の10年後に皆が再会するシーンまでが描かれています。10年後に初めて知る驚愕の事実も含め、最後まで驚きあり感動ありの展開でとても面白くて素敵な作品でした。
ちなにみに大学生役を演じたアーミル・カーンさんは当時44歳。撮影期間中は肌をフレッシュにするため水を1日4リットル飲んで臨んでいたようですが、本当に若くて大学生にしか見えなかったですね。そんな俳優魂にも感服です。
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