父親(パパ)必読~流星ワゴン(重松清)のあらすじと感想~

お薦め度

★★★★★

どんな人にお薦め?

    • 思春期の子育てに苦労している人
    • 可愛すぎる幼児の子育てを楽しんでいるが、思春期以降の子供が想像できずに少なからず不安を感じている人
    • 何かをとても後悔して次の行動に移せていない人、またはそういう人が身近にいて励ましてあげたい人
    • 夫婦の信頼関係が終わりかけている人

感想

ドラマ化されていたのでそっちで見た人も多いでだろう。とても素敵なドラマだった。見たのが5年ほど前なので詳しく覚えていないのと、小説でも読みたいなということで文庫本で読んでみた。

まず設定が素晴らしい。
もう死んでも良いと思っている人や死にかけている人間が、自分が後悔している日や、ターニングポイントになった日に戻って1日生活する。それが数回ある。主人公は、過去を当時と異なった視点で振り返って行動することができるので、当時と違った行動ができる。しかしながら、実際にはその日の行動が後日の実世界に影響を与えることは絶対にない。というような設定。

主人公は、妻と上手くいかず息子も荒れていて家族が崩壊しかけていていつ死んでも良いと思っている中年男性と、同じく何らかの形で人生を後悔している余命僅かな主人公の父。そんな主人公が過去の振り返りたくない日に戻って、主人公なりに必死に過去を変えようと行動するが、それでも現実は全く変わらない。しかしながら、その行動によって、死なずに現実に戻った主人公のその後の行動が変わる。それにより、妻や息子の行動も少しづつ変わっていくのか?というような話。

夫婦喧嘩や、何かを後回しにしようとしたとき、逃げようとした時、その行動が今後のあなたの人生を劇的に変えてしまうこともある。相手の気持ちや考えに気付かなかったことが、今後のあなたの人生を劇的に変えてしまうことがある。だからなるべく、後悔しない判断、相手の気持ちを考えた行動をするべきだ。
一方で、それを悔やんでも過去は変えられない。変えられないけど、その時の反省をもとに、今やれることを必死に取り組めば、未来は変えられるかもしれない。

このように陰と陽両方の2つのメッセージを感じるとても素敵な小説だった。

日々の何気ないところに、大きなターニングポイントがあったりするんだよなぁ。。
There are some turning points on a normal day , in casual situation ..

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投稿者: コロッケ太郎

妻と息子と3人暮らし。週末に家族で遊びに出かけることと子供の昼寝に付き添って小説を読むことと美味しいコロッケを探求することがささやかな楽しみ。